注)エロくさい雰囲気が漂います。苦手な方はご注意ください。
そしてできれば想像力を働かせてお読みいただけると…幸いです…!ごめんなさい。
クレイジーの喘ぎと熱
「あ……ふあ…!」
「なんて顔してんだてめぇ……」
「ん………だって…熱……」
「だったらもう、終わりにしてやろうかぁ?」
「え……ちょ、ちょっと待って……やだぁっ…」
焦らすように伸ばした手で頬をなぞってやれば、上気した赤みは想像通りの熱をスクアーロの掌へと伝えた。
うっすらと涙の膜を漂わせた瞳はどこか虚ろで、ゆらゆらと揺れている。
が、そこにしっかりと自分を映しこんでいる、という点でスクアーロは満足そうに口端を吊り上げた。
どんなに熱に浮かされようと、意識を飛ばしかけようと、縋るように自分を見つめ続けている、という事実が、スクアーロに愉悦を与えて。
(なるほど。こういうところだけは可愛げがある)
まとわりつく熱い空気にうっとうしさを感じはするが、気持ち悪さは感じないのか、スクアーロは涼しげな表情で眼下の綱吉を見下ろした。
綱吉の口からはハッハッ、と、途切れ途切れの息継ぎが絶え間なく繰り返されている。
眉間にうっすらと皺を寄せ、微かに伏せられた瞼の奥には溶ける瞳。
(どうせなら、もっと焦らして追い詰めてやるべきだったか……いや、俺にも限界はある)
ツウ、と頬を伝い、顎を流れた汗も拭わぬまま、スクアーロは綱吉を追い詰めるべく動き出した。
「あ…ま、待ってください、ってばぁ…!隊長…!」
「誰が待つか。強請るんなら、もっと上手く言ってみやがれ」
「うっ……あぅ……」
ぎゅっと握った拳もそのままに、綱吉の身体はグラグラと揺れ続けていた。
「もう…酷い……好き勝手に…」
「誘ったのはお前だろぉ」
酷いも何もなかろう、とスクアーロは鼻で笑って、目を逸らす綱吉の顎を捕らえた。
引き寄せて、顔を寄せれば、溶けた瞳がそっと伏せられる。
触れるか触れないかの距離まで、近づけて。
「ちゃんと、見とけ」
「や、です…」
せめてもの抵抗、かぁ?
「出すぞ」
「え……も、ホントに…勘弁してっ…!」
「ふん。今更泣いて縋っても、遅ぇんだよ…!」
「あっ…!!」
一際強く、大きく、綱吉の身体がビクンと反れる。
「や、やだーーーーーーーー!!!」
綱吉の叫びをBGMに、取っ手を握り、思いっきり、ヤカンの中身をぶちまけた。
「ひぎゃあああああああああああ熱いいいいいいいいい!!!」
熱く焼けた石の上に注がれる水。
もうもうと立ち上る湯気が室内を覆い尽くして。
「どうしたぁ?限界、かぁ?」
「う、うわぁあああん隊長の鬼畜!熱い!焼ける!燃える!」
「燃えねえよ」
大体、サウナで我慢大会しようっつったのはお前じゃねえか。
呆れた眼差しで綱吉を見下ろしながら、スクアーロは腰に手を当てた。
二人して裸体。
腰に巻いたタオルだけが身を守る唯一の術。
裸の付き合いってこういうことなのか?と内心首を捻りながら、段になった部分の最下段に腰掛ける綱吉を挑発する。
が、もう。
「も……もう耐えられませんー!!」
挑発にも乗れぬほど限界のようだ。
それもそうか。
全身を真っ赤に染めた綱吉が、思わずといった様相で扉を蹴り開け、飛び出していく。
ザブンと水風呂に浸かるところまで、備えられた窓から見届けて、スクアーロは溜息をついた。
アホかあいつは。
「苦手なんだったら無理してまでついてくんなっつうの…」
ポリポリと頭をかきながら、瞼を伝う汗を拭い、出入り口を抜ける。
「隊長……見かけによらず…熱いの得意なんですね……」
「『熱いのが苦手』つうのは聞いたことあるが、得意なんて言われたのは初めてだ」
あと見かけによらずってなんだ。
う゛お゛ぉい、と唸るスクアーロを無視して綱吉は脱力し、腕を伸ばして浴槽の縁にもたれかかった。
「やってらんなーい」
「こっちのセリフだ」
我慢大会の所要時間、約一時間半。
ふたりして水風呂で肩を並べながら、ホウ、と息をついたのだった。
クレイジーの喘ぎと熱
エセエロでした!エセというなら、これはエロとは言えないよ!orz
陽子さん…リクエストありがとうございました……こんなんでもいいですか…?(訊く時点で負けている)