生演奏を繰り返すオーケストラの音色も最高潮に響き渡り、歓喜に咽ぶ人々は天を仰いでくるくると回りだす。

様々な花の匂いが混ざり合う宴は円舞を軸に華やかさを増し、溢れ零れる笑みに包まれる。

それが真か偽りかは誰も知ろうとしないまま。

バイオリンによる主旋律が、高らかに新たな年を祝う折。



綱吉は一人、厚手のカーテンに隠された小部屋へと駆け込んだのであった。







ブラーヴァ!








「もうやだ……バカじゃないの……」

秋の空のような薄い青をベースに、細やかな手編みのレースで縁取られたドレスを纏ったまま、綱吉はガバリとソファに飛び込んだ。

父親の趣味で伸ばし続けられている後ろ髪を纏めていた濃紺のリボンが、ほどけて落ちるのも厭わずに。

「なんで…こんな目に……」

肩を震わせ、身を縮めながら、クッションを抱き締める指は白く硬く。

似合わないと自負している踵の高いヒールを脱ぎ捨てて、うつ伏せにソファへと身を委ねた。

カーテンの向こうでは誰もがこぞってダンスに興じ、酒を酌み交わして笑いあっている。

酔いの火照りを癒すため、些細な密談に笑みを潜ませるため、簡易な休憩室として設けられたこの小部屋へ足を踏み入れるものは他にない。

今がパーティーの最たる華だというのに、わざわざ引き篭もる者などそうおるまい。

……その稀な部類に、綱吉は含まれているわけだが。

「もう……もう帰りたいよう……」

クッションに埋めていた顔をそっと上げれば、瞳いっぱいに涙が溜まるのを感じた。

熱い熱い滴が今にも零れんと揺らめく。

沢田綱吉、十四歳。

お家のために男らしい名前を授かったものの、身体はれっきとした女で。

ささやかな乙女心だって装備済みで。



けれど。



「俺が何したっていうんだ……」

ぐすりと鼻を啜りながらぷっくりと膨れた可憐な唇から紡がれたのは…男性の一人称。

「こんな年明け最悪だぁあ!」

とてもとても、男の子らしい言動でもって育てられた箱入り娘。

過保護が過ぎる祖父と、妄想が先行しすぎる父親によって世間の目から離されるよう教育された、沢田家のご息女であった。







ドレスなんて、誰より何より似合わない。

化粧なんて、自分でしたことないし、見るに耐えないんだって知ってる。

父や祖父から与えられた宝飾品など、身に付けているというよりぶら下げてるだけだ。

無様。

哀れ。

分不相応。

わかってるもん。

好きでこんな派手なパーティーに出てきたんじゃないもん。

誰に言われるより自分が一番よく理解している。

…けど。

「おじいちゃんに、あんなに言われたんじゃ……断れなかったんだもん……」

ボンゴラだかゴンボレだか知らないけど、なんか大きいな組織のリーダーをやっている祖父…的存在のおじいちゃんに、お願いされてしまったのだ。

血は繋がっていないものの、遠い親戚にあたるとかで昔から、それこそ俺が生まれる前から懇意にしているというおじいちゃん。

そのおじいちゃんが、俺の晴れ姿を死ぬ前に一目でいいから見ておきたいだなんて言ってドレスを送ってきたものだから…。

死ぬ前って…おじいちゃんめちゃくちゃピンピンしてるのに。

今日なんて母親が全員違うという息子が七人もいたという事実に目玉飛び出そうになったし。

元気すぎるよ。

紹介されても困るよ。

でも、息子さん方と挨拶するたびに「ツナちゃんに手を出したら絶縁だ」と付け加えていた辺り、政略結婚の気はないようだ。

そこは、安心した。

うん。おじいちゃん、俺にベタ甘だしね。

……けどさ。

そりゃ、父さんがなかなかおじいちゃんに俺を会わせないようにしてるし、おじいちゃんイタリアに住んでるし……会う機会は特別な日しかないにしてもだよ?

よりによって年越しパーティーに呼び出すってどうよ。

父さんは例に漏れずどこかへ行っちゃって帰ってこないし。

母さんは居候のチビ共がいるからツナだけで楽しんでらっしゃいっていうし。



会場、イタリアだし!!



ありえなくねえ!?

「『可愛い子には旅させろって言うじゃない?』って母さん楽天家すぎるよぉ…!初一人旅が異国の空って無理にもほどがあるじゃんかぁ…」

イタリア…イタリアだよ。イタリアで新年だよ…。

話しかけられても困るから、基本的におじいちゃんにくっついていたし、おじいちゃんも喜んでいたんだけど…おじいちゃん、主賓だから。

いつまでも俺が独占していられるわけなくって。

何人もの人がとっかえひっかえ挨拶にやってくる隙を見計らってそっとお手洗いに立ったせいで……会場に戻った頃にはどこかに行ってしまっていたおじいちゃん。

おかげでこのざまだ。

イタリア語なんてわかるわけない。

中学英語すら理解しきってないのに。

言葉の壁って高くて厚い。思ったより難関だ。

身振り手振りが通用する世界もあるだろうけれど…ここは違う。

嫌な感じ。

どろどろした様々な色の絵の具が渦を巻いて混じりあうかのような。

嘘と作り笑いで塗り固められた世界。

それが俺の印象。

気持ち悪い。

男の人は皆じりじりと距離を詰めてくるし、女の人は遠巻きにチラチラと視線を寄越しながら嗤っている。

いたたまれないままに中庭へ逃げてみたけれど……。

「超寒かったし」

少女マンガとかだったら、狙いすましたかのように王子様が現れるシーンだったろうに、俺に訪れたのは身体の芯からやってくるすさまじい寒気だけだった。

ブルブル震えて止まらない手足。

鳥肌でぶつぶつになる素肌。

逃げ帰ってくるのも当然でしょ。

「はぁ……給仕の誰かにお願いしてタクシーでも呼んでもらおうかな…」

おじいちゃんの家に泊まらせてもらうことになっているから、お願いして伝えてもらえば帰りつくことは出来るだろう。

……ただし。

「日本語が通じる人がいれば、の話なんだけど…」

おじいちゃんの組織の人が全員日本語話せるわけじゃないだろうし……第一、見知らぬ人に声を掛けなければならない辛さったらない。

人見知り?するに決まってんじゃん。

言葉が通じないかもしれないと思えばなおさら腰が引ける。

……もし。もしもの話。

このまま人波にもまれて、おじいちゃんと合流できなかったりしたら……俺、どうなるの。

宿無し?

それどころか荷物もないし。おじいちゃんのとこに置いてきちゃったし。

道なんて覚えてないし。



「うわぁああん!」



微かに上げていた顔を勢いよくソファへと沈める。

バフォ、と顔全体を圧迫する綿の弾力。

不安に不安を塗り重ねたがために、現実となる確率が低い妄想だというのにまったく拭い去れやしない。

胸が潰されるようなプレッシャーが身体にも負荷をかけているかのようで…。



あああ、と呻きにも嘆きにも似た溜息を、人知れず零した時だった。







「くっそ…!うぜえ女共がぁ…!」







バサ!と重々しい布地で作られたカーテンが払いのけられる音と共に押し寄せた風圧。

上等で薄く柔らかい生地で出来ている俺のドレス。

………足し算なら、小学生でも出来る。

簡単でしょ?

「ふわぁ!」

「は!?――なっ」

全部じゃない。

全部じゃないけど…。

ペチコートまでは持ってかれなかったけど、薄青いシルクの布地はいとも簡単に俺の腰元までめくれ上がってしまったのだった。







パンツは晒さないまでも、下着と呼んで間違いではない部分を見られてしまった以上、恥ずかしくて当然。

誰もこないだろうとたかを括っていた俺も悪い。

だが原因はやはり彼にあって――ということをしっかり自覚しているのだろう。

突然の来訪者は入り口のカーテンを後ろ手に閉め、押さえたまま、身動きひとつ出来ずにいる。

「み、みみみみみ見ました!?」

「な、なに、を…」

まったく目が合わない。

こちらを見ようとせずあらぬ方向へと視線を投げている時点でこの人は見たんだ。

そうに決まってる!

「父さんにも見られたことないのに!」

「それはお前が覚えてねえだけで小っちぇえ頃とかはしっかり見られてるに決まってんだろぉ!」

両手でしっかりとスカートを押さえたまま、叫ぶように抗議の声を上げれば、思わずといった様子のツッコミが返ってきた。

あまりに勢いづいた声音だったものだから顔を上げてみれば…やけに力強い視線が俺へと注がれる。

姿勢を正した俺の背筋が微かに震えてしまった。

な、なんだよ!

人のし、下着、見ておきながら……謝りもしないなんて!

「小学校に入ってからはないもん!」

「物陰からこっそり見てるかもしれないだろぉ!」

「そんなストーカーみたいな親父やだー!」

「俺だって想像するだけで気持ち悪いぜぇ!」

「じゃあ言わないでよー!」

「お前が言い出したことだろぉ!」

「どこがー!?」

つっかかる俺。

のっかってくる相手。

俺より頭ひとつ分以上高い背。

黒の燕尾を纏っているということはパーティーの参加者か。

長い銀髪をうなじの辺りでまとめた様はそれなりに見えるのに……いかんせん目つきが凶悪だ。

しかも怒鳴ってくるし!

そりゃ、俺はおしとやかじゃないし、そこらへんにいる女の子たちに比べたら粗野かもしれないけど…でも一応レディだよ!?

胸とかおしりは大きくないし、色気のいの字もないし、可愛げの欠片もないけど……でも、女だもん。

なんで怒鳴るの。

それもやけに大きな声で。

そんなにわーわー言われたら怖いもん。

圧倒されたら立ち向かってなんていけないもん。

初対面で、散々な目にあったのは俺の方なのに。

責められるばっかりなんて酷い。

もうやだ。

なんで…なんで俺ばっかりこんな目に。



「なっ…!」



こみ上げる息苦しさにグスっと鼻をすすれば、その衝撃が伝わったのか…。

ボロリと。

熱い塊が目から零れ落ちてしまった。

……零すつもりなんてなかったけど…落ちてしまった瞬間、もっと出ればいいと思っていた。

何もかも、嫌な思いも忘れてしまえるくらい泣いてしまいたい。

声をあげて大泣きしたら、誰か…おじいちゃんが気付いてくれるかもしれないじゃないか。

赤ちゃんみたいな考えだけど、こうするしか前に進む手段がないかのように思えたのだ。

それは間違いなく錯覚だけど……胸を塞ぐ心の重さに、俺の涙は止まらなくて。

「うっ……ふ……」

でも。

やっぱり、俺にだってプライドの欠片くらいはあるから。

人前で恥も外聞も捨てて泣き喚けるほどの度胸はなくて。

静々と、頬を伝う涙に悲しみの増殖を感じながら。

両掌で、顔を覆って。

せめてもの抵抗。







世界から、俺自身を遮断した。







「う゛お゛ぉい!」







……そっとしておいてほしいのに。

この人、本当にデリカシーないんじゃなかろうか。

再び俺の脳天へと降り注ぐ威嚇のような怒鳴り声。

ビクっと肩が竦むのは俺の意思に基づくものじゃない。

次は何を言われるんだろう。

またなんだかんだと叫びを上げて、俺を圧倒するのだろうか。

萎縮するしかないけれど…入り口を塞がれているから逃げ出す先も見出せない。

最悪だ。



「何泣いてんだぁ…!顔上げろ!」



なんで命令されなきゃなんないのさ。

泣こうが喚こうが、俺の勝手でしょ。

放っておいてくれればいい。

声の感じが苛々しているようだ。……なら、出て行けばいいじゃんか。

俺のことなんか放っておいてくれればいいのに。

いやいや、と顔を左右に振りながら、意志を込める。

次々に瞼の端から滲み出す涙で、掌は湿りきっていた。



「……っ…!いいから、ちょっとこっち向けぇ!」



いつの間にかずかずかと歩み寄ってきていたその人は、俺の目線の高さまで膝を折ったのだろう。

すごく、間近で、声が響く。

と、同時に。

両手首を掴まれて、左右に割り開かれてしまった。

「ひっ……!」

酷い。

自分でだって今の顔が涙や鼻水でぐちゃぐちゃだってわかってるのに…それを無理矢理晒すだなんて。

顔のすぐ傍で固定された両手の拳をぎゅっと握りながらも、拘束する指から逃れることは出来なかった。

遠慮のない力。

今にもミシミシと軋みだしそうな手首の骨。

……けれど、不思議と痛みは感じなかった。

強烈な圧力が、実際の力だけでなく気配でもかけられているはずなのに。



目が。

屈みこみ、俺へと合わせた目線の高さでありながら……ふいっと逸らされたままの目元が。

微かに赤く色づいているのに、気付いてしまったから。



「いきなり泣かれると……どうしていいかわかんねえだろぉ…!」



言いがかりにも似た抗議が、照れ隠しなんだと気付いた十四の夜だった。











































「っていうのはどう!?」

「どうもこうもあるかぁ!」

どこの誰だそれぇ!と叫んだスクアーロは隣に放り出していたクッションをバシンと叩いた。

冬の日差しにまどろむ昼下がり。

液晶テレビから流れてくる楽しげなワイドショーの声をBGMに、俺とスクアーロは緊急会議を行っている。

都内でも一等地にあたるこの街の中心に建てられた高層マンションの最上階。

ワンフロア全てを一室にしてしまったここは、スクアーロが日本で俺と共に過ごすために用意したんだそうな。

金持ってるなぁ。

クリーム色のソファは皮ではなく布製で、ごろりと寝転んでも冷たくないから心地よい。

キッチンからはコトコトとヤカンが揺れる音がする。

もうすぐお湯が沸くのだろう。

ピーッと鳴るまであと数分。

「あ」

「なんだぁ…」

「あはははははスクアーロ顔あかーい!」

「うっ…るせえ…!」

ソファにどっかと座るスクアーロは股を大きく開いて背もたれに身をゆだねている。

その間。

膝の間に割り込んで腰掛ける俺は、そのスクアーロに背を預けていて。

だから、半ば抱き締められているような…状態?

「何年経っても、スクアーロは可愛いなぁ」

「なんだとぉ!お前の方が可愛いに決まってんだろぉ!」

「そういうことはさらっと言うのに、なんで態度では示せないの?」

「う゛…お゛……」

ね?とスクアーロの方へ身体を向けながら肩に頭を寄せれば、途端スクアーロは硬直する。

そんなに照れられるとこっちまで恥ずかしくなっちゃうじゃん。

……それ以前に、俺も結構恥ずかしく感じてるんだけどね。

「そんなだからさ…やっぱり出会いはもっとこうドラマチックに、思わず見る人がときめいちゃうようなエピソードにした方がいいと思うんだよ!」

「関係ねえだろぉ!第一ウソばっかりじゃねえかぁ!誰と誰がどこぞのパーティーで出会ったってぇ!?」

「俺と、スクアーロが」

「ありえねええええ!」

そうかな?

「じゃあやっぱり『遅刻しそうで走ってた俺が曲がり角を曲がった瞬間ぶつかった相手が運命の相手……その名もスペルビ・スクアーロ!』バージョンにする?」

「お前…マンガの読みすぎだろぉ…」

「最近の少女マンガだって、そんなベタな出会いのシーンないよ」

「だったらやめやがれぇええええ!」

現実感に欠けすぎてんだろぉ!と何度もクッションを叩きながら言い募るスクアーロの叫びっぷりにも、俺は怯むことなんてない。

現実はそんなもんだ。

そりゃ、最初は結構びびってたけど……この人は元々声が大きいし、俺と一緒の時は特に激しい。

察するに、どうも照れているらしい。

あーもう……バカだなぁ。バカで、バカすぎて、可愛いなぁ。

「実際は、お前が家族とじじいと一緒にイタリアの料理屋で食事してて」

ほら。イタリアって部分は合ってるよ。

「トイレに行ったお前が、もとの席がわかんなくなっちまったんだろぉ」

ほら。その辺りもなんとなく合ってる。

「……店内で迷子になるって…今考えてもお前間抜けだなぁ…」

「そんなしみじみ言わないでよ」

むっと頬を膨らませれば、スクアーロが遠慮なく指で突き刺してきた。

痛い。

「そんで、間違って俺たちの席に来ちまって」

当時も今も、スクアーロは会社のお偉いさんの直属の部下?で。

なんかおっきな組織の一員で。

おじいちゃんとも知り合いみたいで。

「ボスの顔みた瞬間泣きやがったから、俺が連れ出したんだったな」

今はもう慣れてしまったけれど、スクアーロの上司というザンザスさんは非常におっかない顔つきなのだ。

眼力で無視とか小動物とか殺せそうな感じ。

十四歳の乙女であった俺は、幼くなんてないはずなのに子供の如く泣き出してしまって。

「泣き止むまで付き合って、元いた席まで探してやって…歩く度にお前はつまずくはこけるは柱にぶつかるは、挙句まったく関係ないテーブルのクロスをひっぱって、ひっかかってこけて、料理ぶちまけたんだったなぁ…」

「忘れてよ!そういう俺の失態は!」

「そんで、やっと辿りついて解放されるかと思いきや、奈々がお礼がしたいとか言い出して…」

「断れないのが、スクアーロのいいところであり悪いところだよね」

「あれは奈々の押しの強さがすごすぎたんだろぉ…」

なつかしくも恥ずかしく、とても暖かい俺たちの思い出。

スクアーロとの出会い。

そこから先の交流は、偶然の積み重なりだったけれど…でも。

「でも、こうして一緒にいれるのはやっぱり母さんのおかげなのかなぁ…」

「…どうだろうな」

奈々があの時、俺を呼び止めていなくても…俺はお前と再会していたような気がするな、とスクアーロは少し溜息混じりに微笑んだ。

俺たちの出会いは、いいことばっかりじゃない。

どんなに恋愛感情を持って傍にいるのだと主張しても、世間は政略まがいだと見るのだろう。

おじいちゃんと懇意にしている俺はボンゴレ側で、ザンザスさんが率いるヴァリアーの重役がスクアーロなのは変えがたい事実だから。






…だけど、それがなんだ。






「これも結構いい思い出だろぉ?」

「そりゃまあ、そうだけど」

「じゃあありのままでいいじゃねえか」

「だって、それじゃ俺がこけるシーンばっかりになるじゃん!恥ずかしいもん!」

「お前の妄想を演じる方がよっぽど恥ずかしいだろぉ!」

ソファの前に据えられた足の短いテーブルの上。

散らばる紙の一枚には大きく『二人の出会いからプロポーズまで』という大きなタイトルが掲げられていた。

母さんの提案でプログラムに組み込まれた、再現ドラマ上映。

その基本軸となる俺とスクアーロのエピソードを綴るための、白紙台本。

すぐそばには、式次第と招待状の見本も。







「じゃあスクアーロは実は怪盗で、ある夜ベランダに出て星を眺めていた俺の元へ突然舞い降りてきたスクアーロが…」

「じゃあってなんだじゃあってぇえええ!」

左手の薬指に光るダイヤモンドをそっと撫でながら、俺は頬を真っ赤に染めたスクアーロへと笑いかけたのだった。











ブラーヴァ!

どんなに眩い妄想も、些細な奇跡には敵わない!



























というわけで、私の妄想劇場でした。
冷たい視線を感じますが、私は強く生きてまいります(笑)
アンケート同率2位の「スクアーロ×ツナ♀」でした。
本当は『お見合い婚』の二人で書こうかと思っていたのですが……妄想をまとめ切れなかったので、こちらにしてみました。
結婚式で再現ドラマって…やったりする場合もあります…よね?
年始なので、幸せ風味にしてみましたが、いかがでしょうか。
今年もよろしくお願いいたします!