Amano davvero, quelli che tremano a dire che
amano.
〜本当に愛している人とは、愛していると言うのに震える人〜
ミルフィオーレとの抗争が決着して、これまでの疲れがドッとでたツナは早々に与えられた部屋に戻って眠っていたのだが
ふと自分以外の気配を身近に感じて目が覚めた。
睡眠を優先したかったツナは、はっきりとしてくる意識に抵抗するように瞼はぎゅっと閉じたままだったが
誰かが自分の頭を撫でているような気がする。
特に害意はなさそうだからこのまま寝てしまおうかなんて思ったりもしたが、さすがにそれは拙いだろうと薄目を開けて
こっそり相手を窺ってみると、なんとスクアーロがベット脇に腰掛けていた。
それ程接点が多いわけではないスクアーロがどうして夜更けに自分の部屋にいるんだろう。
そんな当然の疑問も浮かんできたが、それよりもスクアーロの雰囲気がいつもと全く違うことにドキリとする。
月の光を背後にしているからか長く艶やかな銀糸がキラキラと輝いてスクアーロのシルエットを形作り
ツナを見下ろす眼差しには普段の鋭さや威圧感などなくただ優しく穏やかだ。
静かに佇むスクアーロは整った容貌をより一層涼やかに際立たせ、ここにいるのはまるで別人かのようにさえ感じさせた。
そんなスクアーロがツナの柔らかな髪に指を絡ませ梳いている。
とても丁寧に優しく、まるで愛おしいものにでも触れているかのように・・・
どうしよう、ひどく顔が熱い。
起きて一言声をかければ、きっとツナの知っているスクアーロに戻るだろう。
いつものように大きな声で「わざわざ気配消さないでやったのに、まだ気付かないのかぁ゛あ!」とか言って怒られるのだ。
そうすればこの気持ちも治まるに違いない。
そう思うのに、だけどそれをしてしまうのがなぜか勿体無いような気がしてツナはどうしても声をかけることが出来ないでいた。
どれくらいそうしていたのだろう。
「…綱吉」
名前を呼ばれて震えが走った。
切なげに何かを堪えるかのような熱の篭った低音
スクアーロにこんな呼ばれ方をされたことなんて現代でも10年後の世界に来てからだって一度もない。
ただ名前を呼ばれただけなのに、心臓が五月蝿いくらいドキドキする。
「お前の進む未来がこの先どうなっていようが、俺は・・・俺はずっとお前を…」
だが、スクアーロはその先の言葉を紡ぐことなくツナに触れていた手をそっと離し、最後にゆっくりと名残惜しげに
ツナの前髪をかきあげ、頬をなぞってから音もなく立ち上がり部屋を出て行ってしまった。
顔を真っ赤にさせながら、余りの動揺に一晩中ベットでゴロゴロのたうつツナをひとり残して。
翌朝、ばったり会ったスクアーロは、昨夜のことなどなかったかのようにいつも通りだった。
出会い頭に身だしなみがなっていないと大声で怒り、寝癖や服装を直してくれるのはツナのよく知るスクアーロだ。
あれは夢の中のことだったのだろうか。
つい自分の記憶を疑いたくなってしまうけれど、それは違うとツナの超直感は告げている。
数日後、ようやく現代へと帰ることができて一安心したツナ達だったが・・・
ツナの心には、あの日の夜のスクアーロが焼きついて消えることはなかった。
ハァハァ…!す、素敵な物をいただいてしまいました…!
彼岸の穂月さんが、復活記念としてリクエストを、と言ってくださったのでここぞとばかりに飛びついてしまいました!!!
ふふ…うふふ…(なんだ)
知っているからこそ辛いスクアーロの葛藤とか、見えない未来を憂いて、けれどわずかな希望に胸を焦がす姿が見ていて切なくて…!
しかも、そのスクアーロの行動によって、ツナがスクを意識するきっかけになるというのが…また…!
はぁぁ…素敵。
脳みそください穂月さん(おい)
復活してよかった、と、現金ですが思ってしまいました(笑)
本当に本当にありがとうございました!