注意!
『マリ○様がみてる』のパロディ…です。でも男同士です。
いつもながらにぶっとんでいますので、危ない空気を感じられた方はすぐさまブラウザバックでお戻りになられるか、さっと窓をお閉めください。
「こいつ、またか…」と私の暴走を受け入れてくださる方はどうぞお進みくださいませ。
……なんだかもう…すみません。















初代様がみてる



煌く緑の葉。

清き青の空。

鮮やかな紅いの石畳に、茶色掛かったローファーがいくつもリズムを刻んでいる。

装飾の施された鉄門を抜け、踏み込む先は桜の木のトンネルだ。

葉を見せ始めた桜はちらほらと花びらを散らして歩む子供たちを歓迎している。

創立明治34年の、長い歴史と伝統、優雅な校風を誇る名門男子私学、私立ボンゴレ学園。

並盛の豊かな緑に囲まれた広大な敷地に、幼稚舎・初等部・中等部・高等部・大学・大学院が設置され、その伝統ある一貫教育が紳士としてのたしなみ、豊かな知性と教養を育んでいる。

元々は貴族の子息の為につくられたという伝統あるこの学園は、純粋培養のお坊ちゃまが集っている、が。

その門戸は社会の気風に逆らうことなく、貴族意外の子息にも……志を高く持つ若人にも開かれていた。

上着の裾は翻さず、シャツはきちんと第一ボタンまで閉め、ズボンの裾に泥を跳ねさせるなどもってのほか。

姿勢を正してゆっくり堂々と歩くのがここでのたしなみ。

遅刻ギリギリで駆け込むなど、考えることすら許されない。

けれど。



「っ…っ…ふぅっ…」

切れる息に声が伴わぬよう必死で押し殺しながら、俺は歩む生徒の波へ紛れ込むことに成功した。

校内に一歩踏み込めば、駆け回ることは厳禁。

だが俺には、どうしようもないことに寝坊癖があって……。

必死だ。校内に入るまでが勝負。

授業に間に合うように、ではなく、ゆったりと歩いて教室に向かう時間の余裕を得るために急がなければならないのだ。

そして、今日も。

「なんとか……間にあった」

入学して早三ヶ月。

校風にも慣れ始め、様々な特有のしきたりも覚えきった頃合。

今日も俺たちはこつこつと。ゆっくり歩みながら厳かに校舎を目指す。

まっすぐと伸びきった道筋の先に、少し開けた広場が現れ始めた。

ああ、きたか。

きた。きてしまった。

この学校の不思議な習慣その1。

『毎朝毎夕、登下校の際に広場の初代(プリーモ)像に祈りを捧げましょう。』

ありえん。

なんのためにと思わないでもないが、しかし習慣は習慣、義務は義務だ。

従わざるを得ない。

それに、なんだ。変な噂があって……。

「祈りを捧げている間に初代様の声が聞こえた人は……幸せになれる、だっけ?」

幸せ、だなどと…なんと漠然とした賜物だろう。

まあいい。とりあえずさっさと祈って教室へ向かわねば。

変な形のグローブをはめておきながら服装はスーツにマントという、どこのマジシャンですかと問いたくなるような初代様像。

その周りを囲う生徒に混じり、足を止めた俺も両手を重ね合わせる。

軽く頭を傾けて祈りを。

…俺の場合は祈りというより願いを込めているけれど。

神様仏様初代様ってなもんだ。

(今日も一日目立つことなく、平凡に暮らしていけますように…!)

切実な願い。これさえ叶えばいいんだ俺は。

高望みなんてしないし、身に余る幸運も必要ない。

ただただ、平凡で平和な一日を――。











『残念だったな。それは叶わぬ願いだ』











「――――は?」







聞こえるというより脳に直接響くような声に、閉じていた瞳をパッと開いてみる……ものの、眼前にも左右どこにも、俺に話しかけた様子の人などいない。

誰も彼もが祈りの体勢をとっている、か、校舎へと歩み始めているだけだ。

……なんだ今の。

夢?幻聴か?

そんなに疲れているつもりもボケているつもりもなかったのだけれど……。

「うーん……気持ち悪いなぁ……」

視線を上げればグローブを翳してたたずむ初代様像が祈る生徒たちを暖かく見守っている……のか?

「まあ、いっか。とにかく教室に――」

行かねば。

広場中央にたたずむ初代様像を避けるよう左へと一歩足を踏み出す。

と、同時。



「う゛お゛ぉい!そこの一年!」



荒々しい声音が広場に波紋を広げた。

やけに大きな声量に、周囲の生徒全員が動きを止めてしまっている。

もちろん、例に漏れることなく俺も。

「…薔薇様だ…!」

「紅薔薇のつぼみ様じゃないか…!」

「すごい。朝からお見かけできるなんて、光栄だよ俺たち」

背後。声の主がいるであろう方向へと顔を向ける間に、辺りから漏れ聞こえてきたひそひそ声は口々にその人の呼称を挙げていた。

紅薔薇のつぼみ様。ロサ・キネンシス・アン・ブゥトン。

生徒会の三薔薇様のアシスタント役ではないか。

もちろん、彼自身も生徒会の一員である。

生徒から一目置かれる存在である三人の薔薇に選ばれたつぼみは、次期薔薇であるに等しい。

全生徒の羨望の的だ。

……俺も、実物を見るのは初めて。

つぼみだから…二年生だろう。

確か名は……スペルビ・スクアーロさま。

「う゛お゛ぉい!お前!聞いてんのかぁ!?ぼけーっとしやがって」

「………は?」

銀色の御髪。同じく銀色の瞳。整った柳眉が少し吊り上っていて、形のよい唇が大きく開かれている。

細く長い手足のおかげで歩く様も流れるように美しい。足音が荒く大きいことなど気にならないほどに。

……けれど。

その人の歩みの矛先に俺がいる、というのはどういうことだろう。

「寝ぼけてやがるのかぁ?しっかりしろぉ!人のこと言えた義理じゃねえが、授業はきっちり受けとかねえと後々苦労するぜぇ」

いや。違いますよ。

確かに寝坊はしますけど、慌てて登校するおかげで頭はしっかり目覚めてます。

そうじゃなくて。

貴方に話しかけられたことにビックリしすぎて、思考が追いつかないんです!

「……さっきから気になってたんだよ。お前のそれ」

隣に立ち止まった時に見かけて、言うべきか言わざるべきか悩んだんだがなぁ、と続けたつぼみ様……スクアーロさまは、俺のすぐ前で立ち止まったかと思うと、おもむろに手を伸ばしてきた。

「!?」

「ネクタイが曲がってる」

ヘロヘロ締めやがって。

小さく零したスクアーロさまは俺のブルーのネクタイを掴んで、そのまま一気にきゅっと締めてくださった。

「……あ、あの」

「ネクタイはこうやって締めんだよ。覚えとけ」

あと汗くらい拭け。

片手で、仕上げと言わんばかりにぐっとネクタイを押し付けながら、いつのまに取り出したのかもう片方の手に握られたハンカチを俺の額へと押し付けてきたスクアーロさま。

俺はもう……されるがままで。

「…自分で拭けよ」

「あ…はい」

思わず手を伸ばしてハンカチを自分で額に押し付けてしまった。

されるがままだけじゃなく、言われるがまま、もなのか俺は。

そうこうしている内に、じゃあな、と言い様パッと手を離したスクアーロさまは、さっさと背を向け校舎へと歩き去ってしまった。

俺に何か言わせる隙も与えずに。

一人取り残される俺。

………。



(…………こわー!!超怖いってー!!)



この学校ではネクタイがちょっと曲がっているだけで上級生の指導が入るのか!

しかも生徒会の人間に!!

綺麗な人だっただけに迫力があって尚怖い!

「こ、今後は気をつけよう…!」

スクアーロさまの迫力に押し込まれていた恐怖が一斉に溢れかえってきた俺の身体は、肩から指先まで身震いの波を伝わせる。

肩を抱くように腕をまわして、足を進めることにだけに専念するよう視線を足元に投げ落とす。

そうしないと……今にも走って家に帰ってしまいそうな勢いだ。



他の生徒たちの羨むような視線に気付きもせず、少年――沢田綱吉はそそくさと教室を目指したのだった。







「避けては通れない、よね……」

校舎から少し離れた別棟。

確か創立二十周年の折に記念として建てられた特別棟だったっけ。

細やかな彫りの入った木製の扉の前で、俺は一人途方に暮れていた。

そう。この特別棟こそ、生徒会本部。

薔薇様や薔薇のつぼみ様…そしてそのアシスタントとして選ばれた一年生が集う生徒会室だ。

平凡を望む俺とはまったく正反対の、日々注目を浴び続ける薔薇様方に何の用が、と問われれば…今掌で持て余している布地を突きつけてやろうと思う。

母に頼んで綺麗にアイロンがけしてもらった薄いブルーのハンカチを。

そして、代わりに返してきてくれと、押し付けてダッシュで逃げる。

だが…そんな願いは叶わない。

なぜなら俺は……一人きりだから、だ。

通りがかる人間も皆無、で。

敷居が高いというのも一因だが、新入生歓迎会を終えた後の何の行事もない空白期間である今現在、特に生徒会にお伺いをたてる必要がないから、というのが最大の理由だろう。

人っ子ひとりいない。

誰かにゆだねるわけにはいかないようだ。

「……行くっきゃない。行くっきゃないんだってば、俺…!」

できればお近づきになることもお見知りおきにもなりたくなかったんだけど……仕方がない。

借りたものは返さねば。

スクアーロさまからすれば、ちょっとした、些細な気まぐれだったのだろう。

一年生のだらしなさを正し、今後の行いに気をつけろ、と。

見せしめも兼ねていたのかもしれない。

…だがそのおかげで、俺は嫌々この扉をくぐらなければならなくなってしまった。

なんて傍迷惑な方だろう。

「うう……やだなぁ」

それでも持ち逃げできるほどの度胸はない俺は、ゆっくりとドアノブを回すのだった。



玄関は無人だ。

生徒会は基本的に誰が尋ねてきてもいいものなのだから、当然だろう。

小さなエントランスの端に螺旋状の階段があり、その先…二階が生徒会の本拠地だ。

一階は物置になっていて、行事ごとの必需品をしまってあるのだと薔薇様方の熱狂的なファンが語っていたのを思い出す。

はぁ……行くのか、俺。

重い足を引き摺りながら、一段一段、昇っていく。







「だーからさぁスクアーロ!お前もそろそろ選んじまわないとダメだって」

「うるっせぇなぁ……別にどうでもいいだろそんなもん」

「どうでもよくはないって。お前も『つぼみ』なんだから、避けては通れない道なんだぜ?」

「だから、いつでもいいだろぉ!いつか、選ばざるをえなくなったら選んでやるよぉ!」

「いつかいつかって引き伸ばしてもう三ヶ月だぞ?お前一人の問題ってわけでもないんだし」

「迷惑をかけた覚えもねえ!それに、一人を選んだらそれはそれで色々言われるだろう外野どもに!」

「それも仕事のうちだって。自分が『つぼみ』に選ばれた時点で覚悟しなきゃならねえことだろ?」

「〜〜〜〜〜〜〜だったら!」

「だったら?」

「次にこの扉をくぐった一年を、俺の『姉妹』にしてやるよぉ!!」

















「あの……失礼します」

















……なんだ。俺、何か粗相をしたのだろうか。

中から何やら会話する声が聞こえたから誰かいらっしゃるのだろうと踏んで、ノックした。

会話とは違う声が「入れば?」とそっけない返答をしてきたので入室した、んだけど…。

いきなり静まり返った室内。

全員勢ぞろいされた薔薇様やつぼみ様、その下の一年生までもが黙って俺へと注目している。

あの、こ、怖いんですけど…!

「ねえ、君、一年?」

「え!?あ、はい、そうです…」

いかにも興味なさげに声をかけてきてくださったのは……雲雀恭弥さま。

白薔薇のつぼみ様、だ。

俺と同じ一年でありながら、三年の白薔薇様に選ばれたため『白薔薇のつぼみ』になられた異例の人。

「……おい、スクアーロ」

「………」

続いて声を上げられたのが、白薔薇様。ディーノさま、だっけ。

隣を肘で小突くような仕草の後、俺へと視線を向け、人懐っこい笑みを浮かべてくださった。

…よかった。白薔薇様の隣に、お目当ての人物が座ってらっしゃる。

「あ、スクアーロさま。あの……ちょっとよろしいですか」

「っ!?な、んだぁ…」

なんでどもるんだ。どもりたいのはこっちだ。

室内中の視線をヒシヒシと感じながらも、俺はなんとか自分を奮い立たせてスクアーロさまのもとへと進む。

円卓の周りに均等に配された椅子に、各色ごとの薔薇様方が座していらっしゃる。

ぐるりと迂回し、円卓を挟んで扉の真正面である、スクアーロさまのところへ。

「あの、これ、先日お借りしたハンカチです。ありがとうございました」

「……ああ、お前かぁ。…わざわざ来たのか……」

なんとも歯切れの悪い。

勝手に来たのだから感謝されることはないかもしれないと思っていたけれど、昨日の朝の勢いが嘘のように言葉が切れ切れなのはなんだか不自然だ。

何か、あったのだろうか。

……いやいや。俺には関係ない。



「あの、それじゃあ俺はこれで」

「あーちょっと待った!」

では、と辞そうとする俺をさっと制したのは白薔薇、ディーノさまだった。

「あのさ、一年生君。よければ名前を教えてもらえないか?」

「え……さ、沢田、綱吉です…」

なに!?なにごと!?

もしかして何か気に障るようなことでも!?

「もう『契り』を交わした先輩はいる?」

「いません、けど……」

「おー!よかったじゃないかスクアーロ!」

『契り』とはこの学校独自のシステム、だったよね、確か。

正確には『姉妹の契り』。清く正しい学園生活を受け継いでいくために、姉である先輩が妹である後輩を指導するというシステムだ。

姉が持つ指輪を妹に選ばれたか下級生が受け取ることによって認定される、らしい。

――なんで男子校なのに『姉妹』なんだ!わけわからん。

が……ソレが一体俺になんの関係があると…。

「ほら、言ったよな?スクアーロ。ついさっき、数分前に言ったことだよな?」

「………」

「男に二言はない、だろ?つうかここで撤回する方が何十倍も何百倍も格好悪いって、わかってるもんな!」

「………」

「何か知らないけど、すでに接点あるみたいだし?好都合じゃないか!」

「………」

「覚悟も度胸もないのかー?スクアーロー」

「………」

「スクアーロー。紅薔薇のつぼみー。つぼみさまー」

「――だー!うるせえ!わかったよ!言えばいいんだろう言えば!」

白薔薇様が囃し立てる間に、スクアーロさまがピクピクと口元を引きつらせていた、かと思うと突然勢いよく立ち上がられた。

ガタン、と鳴る椅子に俺の肩が竦む。

「……う゛お゛ぉい!お前……沢田綱吉、だったかぁ!」

「!は、はい!」

立ち、俺の方へと歩み寄ってきたスクアーロさまは意を決したように唇を引き結ばれる。

思わず身体ごと振り返ったのは、気迫と引力に引き寄せられたため、だろうか。

真正面で向かい合い、見上げたスクアーロさまはじっと俺の顔を見下ろしている。

「まあ……悪くはない、か……」

どういう、こと――。



シャラ、と。

スクアーロさまが自分の首にかかっていた鎖を外す。

鎖につなぎとめられているのは……指輪だった。

……まさか。















「お前、俺の『姉妹』になれ」



たおやかな指が指輪の繋がれた鎖を開いて、俺の首へ掛けようと伸ばされる。















が。















「…………お、お断りします!!」











……あ、言っちゃった。

思わず。

真っ白になった頭がはじき出した言葉を、思考を交える間もなく口に出してしまっていた。

断る。

ああ、そうとも。

たとえしっかりじっくり考えたところで答えは変わらない。

姉妹?紅薔薇のつぼみ様の?

それはすなわち……『紅薔薇のつぼみの妹』ロサ・キネンシス・アン・ブゥトン・プティスールになる、というわけで。

生徒会の仲間入り、という、わけ、で…!

ない。

絶対、ない。

「―――う゛、う゛お゛ぉい!」

ポカンと口を開いたまま動きを止めていたスクアーロさまが、慌てた様子で声を上げる。

「お、おまっ…」

ああ、そうか。

きっとこれが他の生徒なら……薔薇様方にあこがれる一般生徒なら、涙を流して喜んだのだろう。

即答でお受けしますと答えたのだろう。

思いもよらぬ返答にペースが乱されたのだろうか。

スクアーロさまの言葉は続かない。

「……おい、ガキ」

低い低い、地を這うようなお声が、スクアーロさまの背中の向こう側から聞こえる。

高々と足を組み、なんだか一人豪奢な椅子にお座りになっている……紅薔薇様、XANXUSさま、だ。

「そのカスのことが嫌い、か?まあカスだからな」

「う゛お゛ぉい!誰がカスだぁ!」

すぐさま反論したスクアーロさまへと投げつけられたティーカップは後頭部へと吸い込まれるように命中した。

「いえ、あの――スクアーロさまのことが、嫌いというわけでは、なくてですね」

そうだ。別に嫌いなのではない。

好きか嫌いかと問われても困るのだ。

だって、今まで接点なんてなかったのだから。

それが、唐突に――。

「なんでなのかは知りませんけど、いきなり『姉妹』にと請われても…困ります。それに俺、あんまり目立ちたくないんです」

できるだけ波風を立てずに、平和な学園生活を過ごせればそれでいい。

そう願ってやまないのだから。

「へえ。面白いな、お前」

すぐそばで白薔薇様がニッと笑む。その瞳が一瞬キラリと輝いたように見えたのは…気のせいだと思いたい。

「………すかぁ…!」

「え?」

「誰が、逃がすかよぉ…!」

微かな声音に散漫だった注意を引き戻された俺が、スクアーロ様へと視線を向ければ……。

白薔薇様など比ではない。

ギラギラと何かを滾らせたような瞳のスクアーロ様がガシっと両肩を掴んできた!

「絶対、お前を俺の妹にしてやるぜぇ!必ず頷かせてみせる!」

「お、スクアーロに火がついた」

「……自分が拒まれるなんて考えてなかったから悔しいでしょ。まったく……単純な人間だね」

白薔薇姉妹がマイペースに状況を楽しむ中、黄薔薇姉妹は面白おかしそうに傍観を決め込んでおり……紅薔薇様は値踏みするように俺をジロジロと見つめていらっしゃる。

つうか、怖い!

紅薔薇姉妹、めっちゃくちゃ怖いんですけど!

この中に末の妹として入れって?無理!絶対無理だから!



「必ずお前をものにしてやる!」

「あ、ありえませんからー!!」



波乱が。俺の日常が崩されていく。

あの日の声が、予言したとおりに。

………。

……もしかして……もしかして、あれって………いやいやいや。

脳裏を掠めた拙い噂を振り払いながら、俺は特別棟を飛び出していたのだった。







初代様がみてる









これを全国R3で無料配布しようとしていて、落としました。
…落として正解だったと今は反省しています。